出口から考える

問題に対し、「どのように取り組み方をするか」ということは解決のための戦略になります。 この戦略の一つに「出口から考える」方法があります。
出口とは「達成すべき目標」また「あるべき姿」の こと。「出口から考える」とは最終目標を基準にして逆に考えてゆくことです。
ある目的地まで列車とバスを乗り継いで午後3時までに到着する必要がある場合。「ここを何時に出発すれ ば良いか」の答えが求められます。現在を基準に「今、出発したら何時に目的地に着くか」とスタートから 考えたのでは、早く到着してしまうでしょう。そこから時間調整をしてゆく方法は良い方法とはいえません。
逆に目的地に3時前に着くバスを調べて、次に乗り継ぎ地に間に合う列車時刻を調べて行く手順、「出口から 考える」方法が良い方法となります。

意義

このように、ある種の問題では出口から考えることが良い戦略になります。では「入口から考える」方法 での解決法の問題点とはどんなことでしょうか。それには次のことが挙げられます。

  1. 問題に起因している要素が多く、全てを検討する手間・時間が掛かる。
  2. 解決法にはいろんな方法があるが、どれが良いかが決められない。
  3. 解決までのステップが多く、積み上げて行く組み合わせが増え、最適解が選べない。

対して、「出口から考える」方法の良い理由は上の問題を解決してくれる次の要素があるからです。

  1. 目標が絞られる。(不要な要素が省かれる。また優先順位が決まる)
  2. 無駄な工程が省かれる。(最終目標に近い解こそが答である)

どうでしょう。問題の入口で悩まずに、解決した姿をイメージして、そこから考えてみませんか。


利用例

旅行会社が出している激安パックツアーの広告を見ると、「九州周遊2泊3日で3万円!」などとあり「何 故こんなに安く出来るのだろう」「飛行機代もでない料金だ」などと思い、どんな費用組立てになっているのか 不思議になります。 こうした企画は、「ツアーを3万円以内で絶対行う」という最終目標を立て、逆算して航空運賃、旅館代、など をいくらにしなければならないかと考え、あらゆるアイデアで実現しようとした結果でしょう。

またシステム開発では、ユーザーが使用する画面を基準にして必要な開発項目を決めるというステップを踏みま すが、これも同じ戦略になります。


(この項終わり)