影響力ダイアグラム
影響力ダイアグラムは意思決定をするために必要な要素を見つけ出し、要素間の関係を図解することで正しい意思決定を導く技法です。
解説
意思決定
目標を掲げ、達成に向けて「いまから行動を起こすと決断する」ことが意思決定です。決断したら最後まで躊躇や後戻りを考えずに進むことです。それが途中で迷うことが出るなら、意思決定の段階で問題があったのです。
意思決定に必要なこと
意思決定するときに考えるべきこととは何でしょうか。 意思決定は特定の目的のために行う行為です。それは「売上高の倍増するために営業時間を2倍にする」という意思決定が当たります。 ところが意思決定によって目的以外の事態も生じることになります。営業時間を2倍にすることで、様々な費用発生、要員確保、取引先との関係などに影響が考えられます。また「売上高倍増で利益はどうなるのか」という問題も無視できません。 このように意思決定には目的の達成以外に影響する多くの要素が存在するのです。正しい意思決定のためには、これらの関係を明らかにする必要があるのです。
影響要素を明らかにする
影響力ダイアグラムはこの課題を図解で明らかにするものです。 関係する要素を明らかにし、相互に与える影響の関係を可視化することが出来ます。 影響力ダイアグラムにより要素と関係が明らかになったことで、意思決定者は、各要素を検討評価することが可能となり、意思決定の可否やその期待と限界も明らかにでき、正しい意思決定を行うことが出来ます。
図解での着眼方法
意思決定のテーマについての影響する要素を見つけ出すための着眼点としては
①意思決定によって、目的以外にどんな要素に影響がでるか。
②また影響される要素が、新たな要素に影響するか(2次的影響)。
③影響する要素間のつながりはあるか。
④意思決定と目標の間にある段階を明らかにする。
⑤意思決定自体に影響を与える外部要因はなにか。
などです。
これらは意思決定には、意思決定自体の起因となっている外部要因(なぜ意思決定が必要となったか)までも含むということです。そして意思決定に直接影響される事項(意思決定によって出る影響)があります。さらに、これらは一次的な関係だけでなく、二次的、三次的関係も見つけ出し、同時に要素間の影響関係を把握するということです。
使う要素と図形
影響力ダイアグラムでは、下の図形を使ってマッピングします。
- 意思決定ノード=長四角で表す
- 中間量=長円で表す
- 結果・業績ノード=隅丸四角で表す
- 結びつき=矢印線で表す
※ノード:機能図形
使用例
図は研究開発に投資すべきかどうかを意思決定するための影響する要素を表したものである。
(この項終わり)