KJ法
解説
文化人類学者の川喜多次郎氏が考案した発想法。
氏がヒマラヤ探検で得られた多種多様な観察データを分析する段階で開発した。
人間は個人の経験を基にした既成概念をもっている。未知の分野について調査する際、この既成概念にあてはめて考えるしまっては、本来の意味を得ることが出来ないことになる。
間違いないのは「データこそは事実である」ということである。
この考え方を基本にして、取得したデータをカードに記入して平面上に広げ、あたかもカード自身に語らせるようにして理解に達する方法である。
手順
《必要なものの準備》
- 黒鉛筆またはペン
- 赤・青などの色鉛筆
- クリップ多数
- ゴム輪多数
- 名刺大の紙片多数(カード)
- 図解用の半紙大の白紙
- 原稿用紙
- 紙切れを広げるための場所
《作業手順》
- テーマ設定
- カードづくり
テーマに関連する情報をカードに書き込む。 - カード広げ
記録した紙片を全て広げて見えるようにする。 - カード集め
親近感を覚える紙片同士を集める(小グループ)。 - 表札作り
集まったカードが語ろうとしていることを文章化し、表札とする。表札を上にカードをクリップ でまとめる。 - グループ編成
小グループ同士で近いものを集める(中グループ化)、その表札を作る。こうして中グループから大グループへ 編成してゆく。グループ数が5~6になるまで続ける。 - 空間配置
まとめられたカード群を模造紙の上に広げ、相互の関係と意味の繋がりを掴みながら相互の位置取りを決める。 - 図解化
相互の関係をマジックで矢印線などで結ぶ。 - 文章化
読み取れる意味を文章にまとめる。
用途
- 現場調査で集めた資料の整理と発想
マーケティングなど消費者の行動データを分析するために - 問題解決でのグループ討議
問題解決で意見を出し合い、何をすべきかを整理する
参考元:川喜田二郎著「発想法」(創造性開発のために) 中公新書発行
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