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演繹法と帰納法

演繹法と帰納法はどちらも推論の方法である。推論とは既知の事柄から思考によって未知の事柄が正しい ことを導こうとするものである。
未知の事柄が正しいことを証明するには、実際に試してみる方法があるが、 全てが試せることではないし、大変な労力も必要で実際的ではない。

帰納法

帰納法は個々の事実から一般的原理を導く推論です。

使い方では、「一般的原理として正しい」と証明したいことを仮説に立てます。「人間はみな死ぬと いうことは正しい」などです。
証明のためには多くの事例を示してゆきます。「織田信長は死んだ」「坂本竜馬は死んだ」 「アブラハム・リンカーンは死んだ」などです。そして全ての事例が示すように、仮説は正しいと結論付ける ことができます。

    整理すると次のように書けます。
  • 仮説:人間はみな死ぬ
  • 実例:「織田信長は死んだ」「坂本竜馬は死んだ 」「アブラハム・リンカーンは死んだ 」
  • 理論(推論):「人間はみな死ぬ」は正しい理論である

帰納法

このように帰納法では、個々の実例により、一般理論(法則)を作り上げることができます。

帰納法の問題点は、実例を多く集めて正しい根拠としてことにあります。もし一つでも反する実例が見つ かると理論は崩れてしまいます。


演繹法

演繹法は一般的原理(正しいとされていること)から個々の事柄の正しさを推論する方法です。代表的な 手法に、大前提・小前提・結論による三段論法があります。

使い方では、まず証明しようとすることを仮説として立てます。それは「誰々はいつかは死ぬという ことは正しい」というようなものです。これを証明するためにまず、一般的原理の大前提を立てます。「人間はみな死ぬ」ということ は一般的な原理です。次に、事柄間を関係付ける小前提を立てます。「誰々は人間である」これも間違いあり ません。そこで仮説である「誰々はいつかは死ぬ」ということが推論できます。

このように演繹法では、未知の事柄を予言することができるといえます。

    整理すると次のように書けます。
  • 仮説:徳川家康は死ぬ
  • 大前提 :人間はみな死ぬ
  • 小前提 :徳川家康は人間である
  • 推論 :従って徳川家康は死ぬ

演繹法

演繹法の欠点は、正しくない前提を使ってしまった場合、あるいは使用するのが適切ではない前提を用い てしまった場合に間違った推論を導いてしまうことがあります。


(この項終わり)