図解の基本
解説
図解は情報を図によって表現する方法です。
図解を使うことで、通常は文章や言葉で表している情報を解
りやすく出来るのです。これは情報の伝達において非常に有効なことです。
何故、図解は文章よりも解りやす
くなるのでしょうか?
文章では、意味を汲み取るためには文章中からキーワードを見つけ、さらに関係を読
み取ることが必要です。対して図解では、キーワードと関係が明確に描かれていますので、容易に意味を掴むことが
出来ます。こうした利点から、様々な場面で図解が使われています。
図解のメリット
- 情報を理解しやすい
- 情報の伝達がしやすい
- 情報の整理がしやすい
- 情報の見落としを防げる
図解の作成
図解は「図形」と「関係線」を使用します。
文章などの情報は①静的な要素「対象および状態」と②動的
な要素「流れおよび変遷」そして③要素間の関係に分かれます。
図解では、①を図形で、②と③を関係線で
表現してゆきます。
図解の手順(文章を図解する場合)
- キーワードの取り出し
文章から重要な言葉を見つけて書き出します。出来るだけ短い語にします。 - キーワードのグループ化
取り出したキーワードが多い場合はグループ化してまとめます。 - グループの見出し付け
グループには意味が解りやすいキーワードを名前付けします。 - 関係付け(流れ、因果)
グループ間の関係を矢印等の関係線で結びます。ここで元の文章の意味が表現されているかチェックします。 - 構図(相互の位置関係決め)
出来た図をスペース上に関係がわかりやすく配置します。 - 表現(見やすく、解りやすく)
全体イメージを決め、個々の図形を調和させて仕上げます。上部にはタイトルを入れます。
図解の基本形
図解には基本形がありますので、まずその基本形を理解しておきましょう。
基本形の種類は「構成・成り立ち」「集合・関係」「流れ」「その他」の4つに分類できます。
1.構成・成り立ち
「構成・成り立ち」は、複数の要素がそれぞれの機能を持ち、互いに関連して全体を構成している状態です。 内容によって「構成」「組織」「分類」などに区分できますが、図解の構造は変わりません。
次の図解は構成の例です。パソコンの構成はハードウエアとソフトウェアに分けられ、それぞれの構成品に
何があるかが良くわかります。
2.集合・関係
「集合・関係」は、ものの集まりである集合が他の集合とどんな関係にあるかを表す図です。
「集合・関係」には「交差」「並列」「包含」の3種があります。
「交差」は、互いの要素が一部で重なる関係。
「並列」は互いの要素は重ならない関係。「包含」は片方の要素は他方の要素の一部である関係です。
それぞれの図解例です。交差:スポーツ選手の一部がプロ選手であることがわかります。並列:現役選手で
且つ引退選手であることはありません。包含:野球選手はスポーツ選手の一部です。
3.流れ
「流れ」はものの移ってゆく順序を表す図です。
「流れ」には「手順」「変遷」があります。
次の図解は変遷の例です。(明治から平成までの時代の移り変わり)
4.その他
「その他」には、「表の応用」「グラフの応用」「比喩」などがあります。
「表の応用」は文章を表形式にして分りやすく区分して表します。
「グラフの応用」は数値データをグラフで視覚的にして表します。
「比喩・表現」は解りにくい内容を誰もが知っている意味の図形を例にして表します。
次の図解は比喩の例です。PDCA管理サイクルを回しながら改善が進んでゆく感じが読み取れます。
活用
図解作成の手順は「概念(キーワードなども)の取り出し」そして「関係線」で結合することを繰り返して、 見易く理解しやすい図解に仕上げてゆきます。どんどんトライして慣れてください。
(この項終わり)