問題解決の基本手順

基本手順とは

問題解決への取り組みには、基本の手順があります。この手順を省略したり、順番を違えると正しい 解決は出来ません。

問題を起こした原因の分析を行わずに、先入観や過去の事例のみで判断してしまったら、間違った対策 をとってしまうことになります。その結果、問題は解決されずに依然として同じ問題が起こってきます。 早く解決をしたいがために手順を省略したことが、逆に解決まで何倍もの時間が取られてしまうことに なるのです。

手順を踏まない例

次は蛍光灯が点灯しない問題が発生したので、解決のために取った一連の行動の例です。

  1. 蛍光灯スタンドが点灯しなかった。
  2. 蛍光管が切れたと思い、蛍光管を新たに購入して交換した。
  3. 蛍光灯スタンドは点灯しなかった。
  4. 調べなおしてみたらコンセントが外れていることが判明した。

上の例では当初、問題が解決しませんでした。また余計な出費をしてしみました。基本手順と違うことを下図でみてみましょう。

 

上例は単純なものですが、複雑で費用や時間が費やされる問題において、こうした失敗をしてしまうことは 大変な損失を生むことになります。重要な問題ほど基本手順を踏むことが求められます。

■各段階のポイント■

手順段階ポイント
問題の認識問題であると認識すること。解決すべきテーマであると捉え、解決目標を決める。
原因調査と分析問題を起こしている原因を調査する。また解決目標との間にある諸課題を探り出し、関係付けをする。
解決策の立案問題の原因を除去する解決策を考える。または原因となっているものに影響されない解決策を考える。
解決策の実施解決策を実行する計画を立てる。確実に実施する。
結果の評価期待した結果と比較しての評価。解決しなかった場合の分析と新たな対策。

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手順2 問題の認識

現在の状況が望ましい状態や目標と違っていれば、問題は自動的に認識されます。しかし、問題はいつも 見えているもの、意識されているものばかりではありません。つぎのような潜在的な問題を、如何に 認識するかという考えをもつことは、問題解決にとって重要な要素となります。

(潜在的な問題の例)

  • 地震の予知はできないが、いつかは必ず発生してきます。発生する前に出来る対策を進める必要がある潜在的な問題です。
  • 水道管に気付いていない亀裂があり水が流れ出ている。これは知らずに多額の水道料を支払っている問題。ような問題もあります。これも自らが探し出さなければわからない問題です。

さらに問題の認識とは、問題の存在を「知る(発見)」ということに加えて、問題を「定義」することまでを含みます。問題の定義とは、解決された状態との関係を明確にすることです。従って、問題の認識とは「問題の発見」から「問題の定義」までの工程となります。

問題の発見

目の前にある問題は誰もが問題を認識するでしょう。しかし、問題は既に発生していることばかりではありません。

発見パターンは3つに分けられます

【発生している問題】
これは通常の状態が失われて、異常が発生してくる状態です。「水道栓が壊れて水が溢れ出した」などのように問題が目に 見えて表れます。

【いずれ発生する問題】
いまは未だ表れていないが、いずれ表れるであろう問題。上の例では、水道栓に錆が出ているなどの兆候がある場合。点検 などの意識をすれば見つかるが、怠れば発見できない(問題とならない)ような問題です。

【設定型問題】
現状にムダやムリがあるが、問題と思っていない状態、工夫や改善すれば新しい方法の可能性に取り組もうとする課題です。これら は解決者が高い意識の上で、現状を問題として捉える事なので、設定型となります。

問題の定義

問題が見つかったら、問題を定義してゆきます。問題の定義とは、「何が」「どのように」問題なのかを明確にし、解決目標を決定することです。次に 「緊急性はどうか」および「重要性はどうか」についても判断をします。これらを踏まえた上で問題内容を「テーマ」として設定します。これらをあい まいな認識で進めてゆくことは以降の工程に失敗要因を残してゆくことになります。

(問題認識のポイント)

  • 目に見えている(発生している)ことだけが問題ではない。
  • 「何が」「どのように」問題なのかを明確にする。「問題の明確化」
  • 重要性はどうか。緊急性はどうか。についても判断をする。
  • 問題を解決すべきテーマとして設定する。

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手順2 原因調査と分析

ここの調査・分析をしっかり出来るかどうかで、解決への道程は変わってきます。また多くの問題は調査 ・分析をすることで、自動的な解決につながります。
調査は「現状調査」「原因調査」「問題分析」の3種類に分けられます。これは調査対象範囲の区分で あると同時に進める順序上の区分にもなり ます。

現状調査

問題の現状を調べることです。現れていることの事実と情報を詳細に収集します。そして出来るだけ多くの関連データも集めることが望まれます。 現状調査は特別な知識がなくとも、進めてゆける段階です。

原因調査

現状調査結果を基に原因分析を行います。問題には「必ず原因があるはずだ」という視点に立ち、原因を探ってゆきます。また探し出した原因には、 さらなる原因があるかもしれません。こうして真の原因を探してゆきます。また、同じ問題が過去の事例にないかを調べることも有効です。

問題分析

原因が明確にならない問題や、複雑に原因が絡んだ問題、簡単に解決できない原因のある問題については、問題分析を行ってゆきます。関係する様々 な要素を見つけ出し、問題を整理体系化してゆきます。この分析方法にロジックツリーを利用します。ロジックツリーでは縦の要因(原因のさらな る原因)と横の要因(区分の異なる原因)を組み合わせて図解化してゆきます。縦の要因分析では、掘り下げられるところまで進めます。「商品売上 の減少」という問題を例にすると、売上の要因として@商品A販売B価格C販路の4つが考えられます。この4つの内容を調査比較することで真の原因 を見つけることが出来ます。

その他

また調査には計画化も必要です。前項の問題の定義に基づく調査計画を作成することで、効率的な調査が行えます。そして調査計画で挙げられた項目 を着実に実施できるよう「誰が」「どのように」「いつまでに」まで盛り込んだ調査計画書にします。事実の把握という点において、ややもすると 観測した事実そのものではなく、推測した判断(推察)を事実と混同することがあるので注意が必要です。この誤りを防ぐために。事実と推察は項目 を分けます。

    (ポイント)
  • ロジックツリーを使う
  • 過去の事例を参照する
  • 「原因」と「結果」の関係を外さない

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手順3 解決策立案

解決策とは「問題のない状態」=「望ましい状態」への到達するための方策です。既に発生している問題では問題発生前の状態への復帰するために、 これから発生が予測される問題では問題を防ぐために解決策を立案することです。

問題の原因と解決策

解決策の立案では「原因調査と分析」で特定した原因を取り去ることが基本となります。原因を取り去ることが出来れば、 問題は解決します。しかし原因を取り去れない場合もあります。「消費者ニーズが変化したことで、ある商品の需要が 下がってしまった」という問題では、原因は消費者ニーズにあるので原因を取り去ることはできません。 この場合は「新しいモデルを構築する」ことが必要となり、商品の見直しから始めることもあるでしょう。 このように解決策には「原因の撤去」と「新しいモデルの構築」の方法があります。

解決策の立案

「原因の撤去」は原因調査と分析の工程を経過することで、解決策は立案できるでしょう。一方「新しいモデルの構築」 は発想力の求められるところです。問題の状態と解決目標の間に横たわる溝を、どのように超えるのか? まだ誰も通過していない沼地に道を探る世界です。解決策の立案に必要な能力としては「コミュニケーション力」 「ツールの知識と活用力」「斬新な発想力」「過去の豊富な事例の参照力」等があげられます。 これらの要素を組み合わせて解決策を立てます。

解決策の優先順位付け

解決策は一つに限られません。複数の解決策が立案されるでしょう。複数の解決策がある場合には、優先順位を決めておきます。 これは次の「解決策の実施」段階を効率的に進めるのに役立ちます。

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手順4 解決策実施

立てられた解決策を実施するための計画を立て、計画に添って着実に進めます。そして実施プロセスの 記録も残してゆきます。こうした計画と記録は実施策の効果を把握するうえでも 大切なものです。

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手順5 結果の評価

実施した結果を計画と比較して評価します。評価が不十分であれば、新たな対策をとらねばなりません。問題が解決していれば、この評価が今後 の同様な問題発生にも利用できることになります。

(この項終わり)

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