問題解決のコラム

成功する提案の3要件

始めは図解から

図1

提案――提案書という形式を伴ったものばかりでなく、「製品を買ってもらう」「会員になってもらう」「活動に参加してもらう」 など、あらゆるところで相手にこちらの考えを受け入れてもらうことも含めて――を採用してもらうためには、 必ず含めなければならない3つの要件があります。

提案とはこちらの考えを、相手に理解してもらい、そして行動してもらうことです。最も身近な例は、他人に物を売る行為でしょう。 相手が買ってくれたら提案が成功したのです。

では、どうしたら提案が成功するのでしょうか?「お願いだから買ってくれ」では、特別の関係がなければ、買ってくれるはずはありません。 相手を買いたい気持ちにさせることが必要です。つまり説得力のある提案にするのに欠かせないものが提案の3要件です。

説得力ある提案の3要件とは

説得力ある提案とは、必然性、効用性、実現可能性が含まれていて、この順番で説明されているものです。(図1)

  • 必 然 性: そうしないと悪いことになる。大変なことになるということ。
  • 効 用 性: そうすることによって良い効果が上がるということ。
  • 実現可能性: 提案内容を受け入れることで必ずできるということ。
    例――自然食品を売りたいとき――
  • 必然性の説明:いまの食品には化学物質が多く含まれていて、長く摂取していると健康を害する。
  • 効用性の説明:自然食品は体の自己治癒力を回復し、健康で若々しい体を作ってくれる
  • 実現可能性の説明:一般食品よりは3割ほど高いが、買い過ぎなどのムダを抑えれば無理はない。また病気をしなくなるので、長い期間では安くて済む。

なぜ説得力があるのか

3要件を含んだ提案は相手の不安を取り除き、買ってみたいと思わせるようになっているのではないだろうか。
この提案が受け入れやすいのは、次の二つの理由による。

  1. 自分の立場ではなく、相手の立場で考えている(図2)。
  2. 相手の不安・不信などの警戒する気持ちを取り除くような対応の説明になっている(図3)。

提案の場面は多い。なかなか相手を説得できない状況があったら、この3要件が正しく使われているか、現状を見直してみよう。

図2

図3


(この項終わり)