散布図
意義
二つの要素の間に関係が存在するかどうかが判る
解説
二つの要素――例えば「身長」と「体重」――の間に関係があるかどうかについて、感覚ではなくデータによって調べることが出来るのが散布図です。
散布図は2つの変動要素を横軸と縦軸に展開した片面上に、データをプロット(点記入)して作成します。
人の「身長」と「体重」においては、身長の大きいものが必ずしも体重が重いとはいえません。逆の場合も多くあります。しかしデータの数を増やして
「身長」と「体重」の散布図を作ると右上がりの直線が現れてきます(図1)。このことを「正の相関関係がある」といいます。そして身長が高いほど体重が重い傾向があるといえるのです。
このように2つの変動要素の間に「関係があるか」またあるとしたら「どんな関係か」「関係は強いか弱いか」ということを散布図により見つけることが出来ます。
散布図の形状分類
散布図は形状によって次の種類に分けることが出来ます。そして各散布図から読み取れる意味は
- 強い正の相関関係:
Xが増加するとYも増加する関係が強く表れています。この場合、Xを管理すればYを決めることが出来る関係です。 - 弱い正の相関関係:
Xの増加につれてYも増加していますが、その関係はバラツキがあります。Yに影響を与えている要因が他にもあることを示しています。 - 強い負の相関関係:
Xの増加につれてYが減少しています。強い正の関係と反対の関係です。 - 弱い負の相関関係:
弱い正の相関関係と反対の関係です。 - 相関がない:
Yの増減はXの増減に関係なく変化しています。YにはX以外の要因が関係しているといえます。 - 直線的でない相関関係:
Xの増加によってYが増減するが直線的ではない場合です。下の図例ではXがある値を取った時に、Yが高い値を示しています。この例では、Yを高めるにはXを特定の値に管理することが良いといえます。Xを温度、Yを植物の発芽量とすると、発芽量を最大にする温度がわかります。
(この項終わり)