文書の保管管理はビジネスの基本事項です。組織で機能する企業において、情報伝達の主たる部分が文書で行わ
れます。その文書を保管する際に、文書の目的を活かし、効率的に保管や廃棄するためにファイリングの仕組み
が重要となってきます。
文書は社内で作成もしくは外部から送付されることで発生し、伝達・活用、保管、保存、廃棄のライフサイクル
を経過してゆきます。
発生→活用→保管→保存→廃棄
このライフサイクルは文書ごとに重要度等の差で年数が異なります。従ってファイリングはこのライフサイクル
を基準にして構築することが肝要です。
一件の事案を処理してゆくと、文書数がどんどん増大します。その中には規準となる重要な文書から、参考資料類、 また連絡メモのように一時的な文書まで、多様な文書が生まれます。すると文書が増えて重要なものが紛れてし まう問題、メモだからと捨てたために経過が不明になる問題が発生します。これらを解決するには、段階ごとの総括(完結)文書を作ることで、不要な文書を一斉に廃棄できます。そして残った文書のみ保管することで足ります。
保管と保存の区別をして管理します。保管とは事務所内などいつでも閲覧できる状態での管理方法です。対して保存とは倉庫などに納めておくことで、直ぐには閲覧できないが、必要な際には取り出せるようにしておくことです。こうして分けることで文書の管理が向上します。法律で保存年限の定められた文書はこの保存区分に該当します。
文書を単年度単位でファイルすれば、年度の変更時に一斉に、保存か廃棄に分けてファイルごとに整理ができます。
1年以上前に作成された文書が参照される割合は1%という調査結果もあります。発生および利用して2年以上経った文書は殆ど使われないのですから、現年度と前年度の文書を保管基準にすれば大丈夫でしょう。
文書には法律で保存年限が定められている文書が多くあります。これらは保存年限ごとの文書リストを作成して、参照しながら間違いなく保存してゆかねばなりません。